レナモン

私はレナモンを当初、両性具有的なイメージで描いていました。元来デジモンには性別は無いという設定なのですが、とは言えアグモンやガブモンは非常に男児らしかったし、女の子(女性)デジモンも多く認知されています。寧ろ性別は分けやすいとも言えます。
レナモンはいずれ、サクヤモンという女性らしいデジモンへと進化する。ならば、スタート時は“性別の無いデジモン”を最大限に描いたキャラクターにしてみようという意図でした。
50話で、「人間なんてそう簡単に変わらない」と発言していた留姫ですが、留姫自身、そしてレナモンとの関係性は、テイマーズの中でも最もドラスティックに変化をしていきました。
ライターが意図的に変えようとせずとも、自ずと留姫自身、レナモン、二人の関係がシフトしていくのが判って非常に面白かったです。

レナモンを演じられたのは今井由香さんですが、関プロデューサーの発案で、留姫の女性ばかりの家族とトリプルキャストで演じて貰うという事になりました。
アフレコが始まって、その成果には心から驚かされました。今井さんはまさに、カメレオン・タイプの演技者であり、その事よりも、その何れのキャラクターの声をも魅力的なものとして演じられていました。

デジモン・シリーズは、非常に多くのCDが発売されるのですが、今井由香さんがレナモンとして歌った曲が、個人的に非常に好きでした。
サクヤモンに進化した時、技の名を叫ぶ様なバトルではなく、歌を歌う様な闘いは描けないだろうかと、その時に思い、案を貝澤監督、関プロデューサーに伝えて、実現出来ました。
39話「舞い散る究極の花! サクヤモン進化」の初登場以来、必殺技の一つ“金剛界曼陀羅”を発現させる時には、サクヤモンは歌うのですが、この歌はアフレコ終了後のスタジオにて収録されたものです。歌詞は吉村元希さんが書かれ、メロディは今井由香さん自身がつけられています。「子守歌の様なイメージで作ってみました」と仰っていました。