塩田博和

ヒロカズは、当初はタカトの学校の友人であり、後にテイマーとなる存在だと当初から決めていたキャラクターでした。
ちょっと巻き舌の、いかにも今様の喋り方をする男子、というキャラクターは、やはり中鶴勝祥氏の描いた、ヴァイザーを被り、メタル系のロングTを着たスタイルからフィードバックして出来ていったものでした。
ヒロカズの母親が、いわゆる“ヤンママ”である、というのは、シナリオ陣では全く作っていない設定で、これも中鶴勝祥氏のデザインから決まった事でした。

第一部中盤で、タカトがテイマーである事を慢心し、ヒロカズとの仲が気まずくなるというエピソードが数回続くのですが、この録音をしていた頃、声を演じられていた玉木有紀子さんが、非常に辛そうにしていて、つい「来週には仲直りするから」と教えてあげました。その時の嬉しそうな顔を見たとき、ああ、もうヒロカズはこの人の中にすっぽり入り込んでいるのだな、と思ったのです。
ケンタの青山桐子さんと、スタジオでもいつも隣同士でいて、出番が無い回も最後まで必ずスタジオに来ていたのが強く印象に残っています。