デジノーム

このシリーズに於けるデジタル・ワールドは、“デジモンの世界”ではなく、ネットワークそのものを基本とする異世界です。デジモンが野生を勝ち得る場とはどんなところか、私自身が先ず色々な「想像」をして浮かび上がってきた世界です。
デジモンにリアルめな解釈をしていくと、この世界にデジモン<のみ>しか存在していない事は不自然だという感覚を得ました。
どうストーリーに絡んでくるのかはさておき、デジモン以外にも、人間の預かり知らぬ進化を遂げているヴァーチャル・クリーチュアが存在している、という事は、初期よりスタッフ内に説明をしてきた事でした。
(そして、もう一つの在りようが“デ・リーパー”だった訳です。)

デジノームは、完全にアニメ・オリジナルなキャラクターです。デジノームのデザインも、中鶴勝祥氏によるものでした。
ノームとは、ケルト系の妖精伝承に登場する地中に住む妖精の類で、とんがり帽子を被った老人というのが一番ポピュラーな姿だと思います。
妖精的なもの。そう、まさにパック的であり、デジノームはテイマーズという物語の最大のトリックスターでした。

デジノームがしてきた事について、SF的な合理的解釈も可能な様に最小限の情報は提示しています。
しかし、デジノームの様な存在は、テイマーズの物語の中のみならず、この世界、私達の世界、私達にとってのネットワーク世界にいたら楽しい――。そういう事を私は想い、テイマーズの物語の中で完結する、単一の答えを出すことを避けました。

デジノームたちの無邪気な笑い声は、女性声優陣が時には総出になって担当していました。