Enter


English Site Map is
here.



アニメージュ編集部公式
GHOST HOUND

メモリアルボックス
クライマックス・ストーリーズ
発売中


Mail
Important Notice
Welcome to Chiaki J. Konaka's Web Page

Welcome to
the Special Genre Screen Writer
Chiaki J. Konaka's Web Page
Since 97/04/18

Last Updated 2010/03/10
2896227

"KIOKU" The abandoned Memories
こういう芝居をやっているよと教えられて、それは観ておかねばと青山円形劇場へ足を運んだのが、G-Up Presents 『棄憶』。
内容が、731部隊と帝銀事件をリンクさせたもので、私自身、近いモチーフの作品を構想中でもあり、楽しみ半分、怖さ半分(モロ被りしていたらという)で殆ど予備知識無く場内へ。
円形劇場の1/3を潰して中央にリングの様な無装飾の舞台。キャラメルボックスなどそれぞれ畑違いの俳優七人だけの、殆どノー・ギミックのストレート・プレイ。
いやぁ堪能しました。
基本設定はこちらなどを読んで戴くとして、個性も年代も異なる俳優同士の、強烈な緊迫感を持続するドラマ。休憩無し90分の、密室内のドラマとしては、リアルタイムかそうでないかの違いはあるものの、『十二人の怒れる男』に比肩し得るものでした。そして、こちらはもっと暗い人間の闇を覗かせます。
初演は数年前の様で、今回は俳優陣が入れ替わっているらしいですが、今まで存在を知らなかった自身の不明を恥じました。
731、帝銀に関しては私も相当に勉強をしており、これらに関心があって、予備知識がある人なら間違いなく私の様に、芝居を観ながら「うん、うん、そうだった」と頷いてしまうでしょう。
戯曲内で語られている事象は全て実際の出来事であり、戦後の日本ブラッドバンク〜旧ミドリ十字といった流れまでフォローしている人なら、もっと得心するに違いありません。
一種の不条理劇的な内容かと思う様な始まり方をしますが、これは非常に優れたミステリでもあります。
寧ろロジカル過ぎる嫌いすらあるのですが、この作品では決して瑕疵となってはいません。
(また、私が構想しているものとは違う結論となっているところで、大いに安堵もしました。)

帝銀事件を題材とした小説や映画は数多く、という程には無いのですが、故・熊井啓監督の『帝銀事件・死刑囚』がその嚆矢であり、そして残念ながら今尚これを凌ぐものは無いと思っていました。
この『棄憶』は間違いなく、 "帝銀物"として『死刑囚』と並ぶ作品でしょう。
熊井監督が存命なら、映画版『棄憶』を撮られたのではないか、という想像もしてしまいました。
社会的なテーマの作品は、その主題の重さと同時に、エンターテインメントの構造としても最高のものであると私は信じており、こうした作品が舞台に掛けられる事を心強く思いました。
あと今日明日で終わってしまいますが、問い合わせてみてください。